ICトレーナーの動作確認

動作確認と基本的な使い方を練習を兼ねて、NANDゲートを使った回路を作成する。

回路の接続方法

回路の接続は、ブレッドボードの穴(端子)および各種端子にジャンプワイヤを挿すことによって行う。まず下図のように電源端子とブレッドボードを接続する。

実験ボード左下にある切り替えスイッチは常に乾電池側にしておくこと。また、電源スイッチは、ジャンプワイヤの抜き挿しを行うときにはOFFにしておき、動作確認のときだけONにすること。

NAND ICのピン配置

ブレッドボード上の一番右のIC (印字に「74LS00」が含まれているもの)には、下図のように NAND ゲートが4つ組み込まれている。この IC をここでは「NAND IC」と呼ぶ。ICには14個のピン(接続端子)があり、それぞれに番号と名前がついている。番号は、円形のへこみが左になるように置いたとき、上から見て左下から反時計回りにつけられている。

NAND ゲートの動作確認

1番(上図左下)の NAND ゲートの動作確認をする。

IC を動作させるには、電源を供給する必要がある。まずNAND ICに電源を供給するため、電源と接続する。

ブレッドボードのいくつかの穴は、内部でつながっている。例えば、下図の赤線・青線で囲んだ部分のように、赤・青の同じ線に沿った穴は内部でつながっている。また、数字とアルファベットが振られた穴のうち、下図の緑や紫の線で囲まれたような、同じ数字のA-Eの穴どうし、同じくF-Jの穴どうしは、それぞれ内部でつながっている。

NAND ICに電源を供給するには、NAND ICの7番ピンと電源GND端子、14番ピンと電源+5V端子とを、それぞれ接続する。下図のようにジャンプワイヤを挿せば、内部でつながっている穴を通じて接続されたことになる。(赤・青の線は途中で切れていることに注意)

このように、ICを使うときにはVCCと電源+5V端子、GNDと電源GND端子をそれぞれ接続する。なお、回路を接続する際に、電源+5V端子と電源GND端子が部品を通さずに直接接続される(ショートする)ことのないように注意せよ。

次に、NANDゲートとスイッチ端子を接続する。下図のように、1番ピンとD0端子、2番ピンとD1端子をそれぞれ接続する。

次にNANDゲートとLED端子を接続する。下図のように、3番ピンとI0端子を接続する。

これで1番のNANDゲートには、下図のように端子が接続されたことになる。NANDゲートはD0とD1からの入力に対して演習を行い、結果をI0に出力する。入力と出力の関係は、下の真理値表のようになっている。また、真理値と実験ボードの動作の関係は、下の対応表のようになっている。

動作の確認をする。スイッチとLED端子は、SW0とD0、SW1とD1、LED0とI0がそれぞれつながっている。例えば、スイッチSW0をONにし、SW1をOFFにすると、NANDゲートはD0から1、D1から0が入力され、1がI0に出力されるから、LED0が点灯する。実験ボードの電源スイッチをONにし、スイッチSW0とSW1のON, OFFを切り替えて、LED0が真理値表のとおりに点灯・消灯することを確認せよ。

正しく配置しているにも関らず、表のとおりに動作しないときは、ICが壊れている可能性もある。その場合は交換するので申し出ること。

確認が終わったら、電源スイッチをOFFにする。



Hidehiko Masuhara